レストランのスタッフ達は黒毛和牛のバラ肉をたんと買い込み、そのおいしそうなバラ肉の塊を1つ3キロくらいにカットし、長年使い込んだフライパンでバラ肉の表面がキツネ色になるように焼き上げます。
香ばしい香り、この段階でヨダレが出そうなくらいおいしそうです…。
さて、このこんがり焼き上げたバラ肉をシチューとして煮込むには、
これまた『おいしい おいしい デミソース』のスープが必要です。
このデミソースのスープを作るのが大変!
材料の玉ねぎ・人参・セロリ・ニンニク・長ネギ・リンゴ・トマト・トマトペースト・牛スジ・赤ワイン・ローリエ・タイム・それと秘密の数々の食材(私にも教えてくれません)を朝から晩までコトコト煮込み、また次の日も朝から晩までコトコト…その次の日もまた次の日も……
約1週間かけて出来上がったデミグラスソース。
この手間隙かけたデミグラスソースは「GUNJO」の宝ものなんだそうです。
話は最初に戻ります。こんがりキツネ色に色づいた牛バラ肉を、1週間まごころを込め、丹精に作り上げたデミグラスソースでじっくり、ゆっくり5~6時間煮込みます。
煮込んだ後はそのままゆっくり冷まし、冷めたらバラ肉だけを取り出し一晩冷蔵庫の中で寝かせ、
いい夢を見させるそうです。
何故一晩冷蔵庫で寝かせるか?
これは最後の仕上げで煮込むときに一晩寝かせないとせっかくのバラ肉が煮くずれしてしまうからだ……とスタッフのひとりがこっそり教えてくれました。
さてさて、これからが最後の仕上げ。
一晩寝かしたバラ肉を鍋に入れバーナーに点火。鍋が一気に熱くなります。
そうしたらポルト酒を豪快に鍋へ、赤・オレンジ色・黄色・緑色・青色のなんともいえない炎が一瞬キッチンを神秘的な色に染めます。
ポルト酒のアルコール分が飛んだらいよいよデミグラスソースの再登場、鍋にソースを入れ今度はオーブンで30分くらい煮込み、肉にソースをからませます。 そして最後の最後に生クリーム・牛乳・塩・コショウを入れ味を整えます。
そして味見、シェフの舌がOKといったらやっとお客様に
お出しできるそうです。
あ~、長かった
アッ!今お客様にお出ししたビーフシチューのお皿がウエイターによって下げられて来ました。
お皿には一滴のソースも残っていません。多分パンにソースをつけて全部食べてくれたんだ!
それを横目でみたスタッフ達の口元が一瞬だけどニヤっとしたようです。
このビーフシチューは、鴨川グランドホテルのランチメニュー、ディナーメニューで
アラカルトメニューとしてお出ししております。